ペリリュー島玉砕戦―南海の小島70日の血戦 (光人社NF文庫) [歴史(日本史世界史)]

ペリリュー島玉砕戦―南海の小島70日の血戦 (光人社NF文庫)



ペリリュー島玉砕戦―南海の小島70日の血戦 (光人社NF文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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ペリリュー島の戦いの記録

 援軍もない孤島を死守する日本軍1万余。サイパン戦などの教訓を生かして、むやみな万歳突撃や玉砕を自粛して、洞窟陣地にこもり徹底的に防御しながら、攻める米軍に人的出血を強いる戦法を実行した。
 攻める米軍の死傷数が、守る日本側を上回るほどの死闘を演じた戦いだ。70日間、文字通りの最後の一兵まで戦った日本軍。
 海を60キロも泳いで機密文書を運ぶ兵隊。火炎放射にあぶられながら、戦う兵隊。物量に立ち向かうのは精神力だけ。米軍を島に一日釘付けすることで、祖国の防衛は強化される。1万人が350人になるまで抵抗し、そのための時間をかせぐ。そして最後の350人も突撃して全滅。この頑張りは無意味だっただろうか。
 彼等自身が願ったような大東亜戦争の究極の勝利には結び付かなかったが…。この本を読んだ直後に、たまたま東京出張になったので、靖国神社に行ってきた。遺品展示コーナーには、ほかの戦場のように記念品の陳列はなく、ただペリリュー島の浜辺の砂だけが展示されていた。でも、こんな恐怖に満ちた戦いを現代日本人は、もう決してできないであろう。きっとできない。僕もできない。
 祖国の永続的繁栄を願いながら多数戦死していったペリリュー島の兵隊たちの記録を、この本で深く知ることができた。
ペリリュー島玉砕戦―南海の小島70日の血戦 (光人社NF文庫)
「サクラ、サクラ」に込められた想い

 題名の通り本書は太平洋戦争時のペリリュー島防衛に際する玉砕戦を描いたものである。
 硫黄島戦に比肩してアメリカ軍に被害を強いた様は読んでいて胸が締め付けられる思いがする。
 彼我の圧倒的な物量差にもくじけることなく故郷を想い家族を想いながら戦う様には英霊への強い感謝の念を呼び起こさずにはいられない。そしてわずかな援軍のみで奮闘しつつも力尽き、最後にある「サクラ、サクラ」の電文を読むに至ってその無念を強く感じた。
 表現に多少、自負の強すぎる部分があり、多少しらける箇所もあるが、先の戦争中いくつかある玉砕戦のひとつを描いたものとしておすすめできる一冊である。
 数値的資料としてはあまり詳細が記されておらずそれほど価値はないが、散華した英霊の想いを感じるには十分である。
 評価としては自負の強すぎる部分をひとつ減点して星4としたい。



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